古代民族グロンギ、実はアギトのifだった説

うん。クウガとアギトの考察は色々考えたけど、これが一番大事だと思った。

クウガとアギトが連続している……すなわち、時系列のズレこそあれど、アギト本編の二年前に終息したという「未確認生命体事件」が「グロンギと人の戦い」であったならば、そこには次のような意味があったのだと思う。

それは、「進化した人類は、人類と共存できるか」という問いの始まりだったのではないか。

グロンギは、特殊な隕石に触れて進化した。
アギトは、白い青年(光の力)の干渉によって進化した。
どちらも、人から生まれて人を超えた種族。

最強のグロンギたるン・ダグバ・ゼバはその力で大虐殺を行なったし、アギトの力は天使(アンノウン)さえ殺す。アギトが進化すれば、神を超越できる可能性すらあるという。その神、黒い青年(闇の力)は、星々の位置や人の運命さえ操る事ができる。

だが、両者には大きな違いがあった。
グロンギは、その力で殺戮を楽しみ、クウガによって封印された。現代に蘇ったグロンギたちも、結局はクウガや警察との戦いによって絶滅した。
つまり、グロンギは人類と共存できなかった。その関係は、最後まで滅ぼし合うだけの関係となったのだ。
(なお、これは筆者の想像だが、ゲゲルをせず、リントと共存するようなグロンギはいたかもしれない。しかし、そんな優しいグロンギは、クウガと戦ったり封印される事がなかったはずだ。封印されたグロンギたちは、殺戮を楽しむ邪悪な者しか居なかったと考えられる)

さて、一方のアギトはどうだろう。超古代ではともかく、現代のアギトは絶対的な悪ではなかった。善人、悪人、その中間。様々な人がアギトに覚醒した。
また、彼らの世界観や文化は、リントともグロンギとも違う。それなりのバランスで、平和と争いが混じり合った文明。その中で、未確認生命体=グロンギという怪物が突如復活を遂げ、人々はその恐ろしさや、その末路を知ったのだ。

だから、人々がアギトやギルスの変身した姿を見るとき、(脚本にはなくても)その世界の人々は未確認生命体を想起したと思う。普通の人間、隣人や、自分自身がグロンギのような姿になってしまう恐怖。アギト(ギルス)に対する極端な眼差しや、アギトの自殺といった出来事の裏には、そのような恐怖があったと見てもよいだろう。そんな恐怖の中で、心の底から邪悪になれる人間はそう多くないはずだ。それは自らグロンギとなる事、破滅を選ぶ事だ。

このように、アギトたちには人間との共存を選ぶ余地があったのだ。文化的に、心情的に。

さらに、力の差というものがある。当初、グロンギは人間に対して圧倒的な暴力を見せた。アギトやアンノウンも、普通の人間が倒せる相手ではない。
しかし、現代のクウガと協力することや、神経断裂弾の開発によって、人間はグロンギを倒すことに成功する。そのクウガを元に設計されたG3とG3Xは、アギトやアンノウンに対抗しうる『人間の武器』となった。

人間とアギトは、この時対等の存在となったのではないだろうか?
しかし、グロンギの出現がなければ、人類がG3を開発する事はなく、人類とアギトのパワーバランスは崩れていたかもしれないという事だ。

そんな訳で、「進化した人類は、人類と共存できるか」という問い…
その試練を乗り越えるために、グロンギという、邪悪だがアギトとよく似た存在との戦い」が必要だったのではないだろうか。

筆者はそのような事を思った。