創作のために過去を掘る その1

知り合いに、ニュータイプかと思うほど感覚の鋭い人がいて、僕は彼からアドバイスをもらった。


「創作をする時、キャラクターの中身にこだわるべき。キャラクターにこめた想い・願い・祈りのようなものを、過去から探す必要がある。あなたは未来にばかり目を向けるから、バランスを取らないといけない」


その通りだ。けれども、当時はまだ頭が硬くて、あまり過去を掘れなかった。


最近になって、Twitterで「いいねしてくれた人をイメージして小説の書き出しを作る」という企画をやってみた。色々な人からいいねが来て、正直大変だったが、僕にしては魅力的な文章をいくつも書けた。その中に、次のような作品がある。


地球からの移民が造った、火星都市ニミュエ。そこに宇宙警備隊養成校があった。

「かつて地球は鎖国状態にあったが、今は違う。世界を守るために、人々は星を越えて協力した。我が校も、君たちも、その象徴だ」

先生が新入生たちに語った。地球人と異星人が混じる教室。僕の心が緊張と期待で膨らんだ。


あくまで「書き出し」だけを書くという企画なので、この文章の続きはない。しかし、この作品を贈った相手から褒められたので、僕はたちまち嬉しくなった。


調子に乗って、「この作品は小学生の頃に書こうとしてやめた作品を元にしてるんだよねー」と、元になった作品の構想を語ってみたところ、それもそれで「もし続きを見れるのならまた見たいぜ」と言われて、僕の意欲にも火がついた。その作品…『ブレイブマン』という作品は、ちょうど僕が東京から茨城に引っ越し、生活も創作も上手くいかなくなった時期の作品だ。結局、ブレイブマンの構想は二転三転四、五、六転ぐらいしながら、立ち消えとなるのだが、今でも未練があるのだ。


ブレイブマンについては、大きく分けて二種類の構想があった。


1.宇宙警備隊養成校を舞台に、宇宙大魔王エンアースの脅威に立ち向かうヒーロー候補生たちを描く。キャラは全員宇宙人で、ジャンルはギャグ。ブレイブマンは主人公の本名(!)。

(ウルトラマンハリー・ポッターと、ドラゴンクエスト ダイの大冒険が好きだったから生まれたアイディア。また、未完のネット小説「(,,゚Д゚)ギコと从 ゚∀从ハインと学園都市のようです」に憧れていたのだ)


2.日本のとある都市と学校を舞台に、主人公の女の子・清水カイナが怪事件を解決する。彼女は『スピリット』(精神の力)を操る能力者で、同じように能力に目覚めた者たちや、調査のために派遣された魔法使い・五条練と協力する。

(中学二年の時に考えたもの。ジョジョのパクリw)


この二つの構想は、タイトルと一部のモチーフが共通しているだけで、全然別物だ。カイナのスピリットが「ブレイブマン」という人型の存在で、ラスボスが「ウィザード・キング」という魔王的なイメージの敵キャラだったりもするが、やはり別物だろう。


今回の構想は三番目となる。「火星都市ニミュエ」という用語を使えるくらいにはSFな世界観で、宇宙警備隊養成校には地球人と宇宙人の両方が通っている。モンスター(怪獣)も出るし、宇宙人とも戦う。ギャグとシリアスのどちらに寄った作品となるのかは分からない。


もし、僕が「ブレイブマン」という構想を今度こそ形にできるのなら、それは過去のアイディアを掘り下げてからだ。そうでないと、やはり構想がブレてしまうだろう。



(つづく)