【小説】イルカ帝国の野望 その1

むかーしむかし、あるところに、イルカ帝国がありました。イルカ帝国には進化したイルカが住んでいて、彼らは高度な知性と超能力を有していましたとさ。

ある日、イルカ帝国の王・デルフィニオス一世は、部下たちに命じました。

「皆のもの、よく聞くがいい。我らイルカ帝国は、マグロ共和国やしらす連合軍を撃破し、マンボウ帝国(笑)も滅ぼした。次は地上へと進出しようと思う。偵察隊に志願する者はヒレを上げよ!」

すると、一匹のイルカがヒレを上げました。

「ほう、志願者はカイルだけか。よいだろう、行くがいい、カイル!」

「ははっ!おおせのままに!」

カイルは海を泳ぎ、まずは近隣の島国を偵察してみました。とりあえず浜辺に上がってみると、子供が魚介類をいじめていました。

「やい!クソウミガメ!オレの日頃のストレスをくらえ!」
「そうだそうだ!お前なんか邪魔っけだ!」
「ほら、その無駄にデカい甲羅で身を守ってみやがれwwww」
「ヘイヘーイwwww」

なんと理不尽な光景でしょうか。ウミガメは「痛いでゴンス」と言っています。

「やめたまえ!地上人の諸君!」

「!?」

子どもたちは一切に驚きました。なぜなら、イルカが立っていたからです!!!

「安心したまえ、私はただのイルカだ。君たちに危害を加えるつもりはない」

「キエアアア シャベッタアアアア」」

子どもたちはものすごいオーバーリアクションで、浜辺から去って行きました。

「ふむ、地上人は非常に臆病な性格であるようだな。だらしない!さ、ウミガメくん、大丈夫か?」

カイルがヒレを差し伸べると、ウミガメは怯えました。

「ギャアアアア!!!」

「ビビりすぎだ!」

「だ、だってイルカが…イルカが喋ってる!」

「いや、お前も喋ってるだろ!?ウミガメなのに!」

「何言ってるでゴンス?ウミガメが喋るのは当たり前でゴンス」

「いや、それはないだろう…」

呆れたカイルは、話題を切り替える。

「私は地上を偵察しにきた、イルカ帝国の者だ。お前は地上について何か知っているか?」

「うーん、何も知らないでゴンス」

「そうか…」

「気を落とさないでほしいでゴンス!助けてくれたお礼に、竜宮城に連れて行ってあげるでゴンスよ」

「ほう、ありがたいな」

「じゃあ、背中に乗るでゴンス。海底までひとっ飛びでゴンスよ!」

張り切るウミガメだが、カイルはそうもいかない。

「ちょいちょいちょい、今?それ今じゃないとダメ?」

「ダメでゴンス!おいらは恩人にお礼をしないと気がすまないでゴンス!」

「知るか!てめえの気なんか!」

カイルは四次元空間から光線銃を取り出し、ウミガメを攻撃した!

「ギャアアアア!!!」

「予定通り、一人で偵察をするぜ…」

そう言って、イルカはすたすたと浜辺を歩くのでした……。