【小説】イルカ帝国の野望 その5

「何!?地上にはボウケンシャという魔物がいるのか!?」


「はっ、左様でございます…。あれほどの強さ、生身では絶対に敵わないでしょう。『円盤』を使うべきかと…」


海底のセントラルキャッスルにて、話し合うのはデルフィニオス一世と、全身に包帯を巻いたカイルだ。


「ふむ…トビウオ公国の兵士もかなりの強さだったが、生身でも戦える相手だった。やはり『円盤』を使うしかないだろうな」


 『円盤』──それは、イルカ帝国の科学力によって建造された、最強の魔導兵器である。かつて、古代バハムート文明を滅ぼしたとか滅ぼしてないとか言われる兵器(※諸説あります)を、現代の技術で再現したものだ。


 さて、カイルとデルフィニオスがそんな会話をしていた頃……地上では、星太郎と悠月がウミガメに出くわしていた!!


「またお前か!」

「へへ、またでゴンス」


驚く悠月に、ウミガメは告げる。


「助けてくれたお礼に、竜宮城へ連れて行ってあげるでゴンス!」


リュウグウジョウ…って、何だ?」


星太郎を見やる悠月。星太郎は首の後ろで両手を組んで、とぼけた顔をする。


「師匠が知らないなら、オレも分からないですよ〜っ」


星太郎はウミガメを見やる。


「竜宮城は海の中のお城でゴンス。島でいうと蓬莱(ほうらい)国の近くでゴンスね」


「えっ!めちゃくちゃ遠いじゃないか!」


ウミガメの言葉に驚く悠月。しかし、ウミガメは気にしていない。


「そうでゴンスよ?でも、オイラの超☆スーパージェット甲羅を使えば一瞬でつくでゴンス!」


ウミガメがそういうと、甲羅に超☆スーパーパワーが溢れ出し、紫色に輝く。そして大量の☆マークが飛び出て、一個が悠月の髪に刺さる。


「……」


「さあ、乗るでゴンス。普通の人間が竜宮城に行けるチャンスは一度しかないでゴンスよ」


「いや、私は別に行きたくないのだが…」


髪の毛に☆マークが刺さったまま、眉間にしわわ寄せる悠月。しかし、星太郎は乗り気だった。


「師匠、そんなこと言わずに行きましょうよ〜」


「う〜ん…」


星太郎は悠月の胴体を揺する。だが、悠月は動かない。髪の毛に刺さった☆マークをいじっている。


「オイラ、助けてくれたお礼がしたいでゴンス〜」


「ほら、師匠!」


「う〜〜ん」


涙をにじませるウミガメ。しつこい星太郎。だが、悠月は動かない。すると、ついにウミガメが泣き始める。


「恩を…恩を返さないと……気が晴れないでゴンスゥ〜」


 そう言って、ウミガメは大げさに涙を流したのだ。星太郎もこれには感涙!


「師匠ォオオ〜〜〜!人とウミガメの絆でゴンスよ!?なんで応えてあげないでゴンス!?」


悠月は髪の毛の☆マークの位置をずらしながら答える。


「いや、私はお礼とかいらないし…竜宮城にも興味は…」


けれども、悠月はチラリとカメを見て、星太郎を見て、ため息をつく。


「よし、分かった」

「おお!?」

「おお?」


「行くでゴンス。カメの背中に乗って、竜宮城にみんなで行くでゴンスよ!!!!」


「「やったーーーー!(でゴンス)」」


悠月たちは早速、カメの背中に乗り始めた。


「ここに乗れば良いんだな?落ちないよな?」


「魔法のバリアを張りますので、カゴに乗った気分でいれば大丈夫でゴンスよ」


「本当だな?それ、本当に大丈夫だな?」


「師匠〜怖がりすぎですってば〜」


ウミガメは超☆スーパーパワーを発動する。紫色の輝き。


「それでは、出発進行〜♪」


「これ、本当に大じょっ──」


\ギュン!/

 (ドボーン)


三人の姿は海へ消えました。さてさて、竜宮城にたどり着いた星太郎と悠月には、一体どんな冒険が待ち受けているのでしょうか?そしてイルカ帝国の『円盤』に地上人は勝てるのか?


乞うご期待!!